2008年04月26日

山と川と海(水つながり)

山と川と海(水つながり)
4月はよく雨が降りました。
一昨日の雨の日、安倍川中流の「曙橋」から上流へカメラを向け撮った写真です。

安倍川はこのところしばらく濁っています。
川の水が濁るのは土砂や泥が含まれているからです。

言い方を変えれば
 「山に降った雨水が、山の土砂を海に運んでいる」ということです。
山と川と海(水つながり)
3月に撮ったこの写真の場所の様に、川に流れ込んだ山の崩壊土砂を増水した川が海に押し流しているのです。
濁った水が海に流れ込むと、河口周辺の海は当然濁ります。
しかし、悪いことだけではなく
  土砂の養分が海に供給されたり、砂を海岸に供給し海の侵食から陸を守る事にもなります。
近年、海岸侵食は三保の松原周辺で大きな問題にあるようです。

山からの土砂の供給が少なかったり、川の水が少なければ、砂浜はどんどん無くなってしまいます。
逆に災害などで山の崩壊が一度に起これば、土砂が一気に流れすぎて、途中の市街地で河川の氾濫が起こってしまいます。
それを上手に調節しているのが水源の森林地帯です。

健全な森林の維持は下流部に住む方たちにも大きな影響があるのではないでしょうか!?




同じカテゴリー(森の働き)の記事画像
子供は木登り大好き!
春雨の中、森へ
背番号 4
CO2固定量の把握 結果!
CO2固定量の把握 その2
CO2固定量の把握
同じカテゴリー(森の働き)の記事
 子供は木登り大好き! (2009-10-16 22:50)
 春雨の中、森へ (2008-05-02 23:33)
 背番号 4 (2008-02-25 10:31)
 CO2固定量の把握 結果! (2008-02-22 12:47)
 CO2固定量の把握 その2 (2008-02-21 08:42)
 CO2固定量の把握 (2008-02-20 08:49)

Posted by エスジェック at 00:20│Comments(5)森の働き
この記事へのコメント
はじめまして、
そうですね、此処の所 安倍川の川底が上がるばかりで
実際に海に流出する土砂は減っているんでしょうね。
藁科川も合流する安倍川の川底が上がった為に同じ様に
川底ばかりが上昇する傾向です。

その為に木枯らしの森の東斜面が、増水により削り取られる
ハメに・・

やはり針葉樹ばかりの植林の影響がこのあたりに出ているのではと
思います。針葉樹は水の保水力に欠けるし、何より地表の下草を
枯らすばかりです(植林の方法にも問題がありますが)。
この為にスギを植林した斜面ばかりが、川沿いに崩れているのを
目にします。
Posted by tatsuyatatsuya at 2008年04月26日 00:34
tatsuyaさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

確かに安倍川の川底が上がっているのは顕著に伺えます。
これが徐々にでも下流に流れていけば海岸侵食も抑えられるのではと思います。

3月ぐらいにSBSテレビで三保の海岸侵食の問題がレポートされていたのを見ました。三保では侵食されている海岸も、大浜辺りでは砂が堆積する様になってきているとの報道でした。

保水力に関しては、高齢級の広葉樹にかなう樹木はありません!
しかし、広葉樹は幼木段階では成長が遅いのでトータルではさほど針葉樹と変わらないというデーターもあります。

とても長いスパンで見ると、山はいつかは崩れてしまう運命にあります。
(岩の風化により)
森は山の崩壊が一度に起きないよう守っています。
静岡の針葉樹の森は人が手を加えなければ健全に保たれない森です。
地元の天然資源として針葉樹を利用することで、多様な植物が生え、保水力などの森の機能が高まり、自然環境もよくなると考えています。
Posted by エスジェックエスジェック at 2008年04月26日 02:17
しかし、もともと針葉樹は斜面に根を張る木では無いのでしょうか?
平坦な地面に生える木だと思っています。
日本政府の意向で増えたスギの植林、金になると植えたモノの
商品になる頃には外材におされて、放置プレー状態(笑)の
スギ林だらけ。

育った広葉樹を伐採してからの植林自体が間違いの元だと
思います。
Posted by tatsuyatatsuya at 2008年04月26日 02:37
tatsuyaさま
はじめまして。
林業をはじめとする第一次産業は国策の誤りによって惨憺たる結果になっていますね。
昔のかたは、孫子の代へと大変な思いをして植林をしました。当時の個々の林業家に落ち度はないのではと思います。
現在、エスジェックさんたちのように、それを継いでくださっている方の山は少数。そうでない大多数の山をどうするか、です。
業者や私たちが、安さで飛びついていた外来材にこれからもという時ではありません。
国や地球規模の環境重視で考えて立て直すしかないと思います。
私は、継ぐ人のない山は自然環境にあった広葉樹等の山に変えていくのが良いと思います。地主さんの負担でなく、国や私たちが動くこと前提で。
わからない・知らない・関心がないではなく、私たちの暮らしに密接なことを伝えていきたいですよね。
Posted by ゆいまーるゆいまーる at 2008年04月26日 06:44
tatsuyaさん
ゆいまーるさん
コメントありがとうございます。

木・森はスパンの長いものですから、目先の欲にとらわれすぎてはいけないのだと思います。
今、九州地方を中心に大規模皆伐(ディスにーランドぐらいの広さの森を一度にすべて切る)後、そのまま放置される山が全国的に多くなっています。
何十年かすれば少しづつ天然林に戻るかも知れませんが、その前に大雨などで山が崩れるかも知れません。
違法伐採は日本でもおこっています。なぜそうするか?というとそれ自体は究極のコストダウン!?!だからです。
それでも今国産材は使われにくい現状です。

しかし、世界的には木材不足ですし、国産材の丸太は世界で一番安いのです。
この先何年・何十年後、針葉樹が更に生長すれば木材の加工コストが下がり循環利用ができるかも知れません。(そうしたいと思っています!)

今は、違法伐採を許さない、放置されている針葉樹林を間伐し下草を生やし広葉樹も育ってくるようにする(混交林を目指す)のが大事だと思います。


皆さんのような山・森・木に関心のある方と私たち林業者がお互いの立場で意見を出し合って地域の森が良くなればと思います。
Posted by エスジェック at 2008年04月27日 23:47
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
山と川と海(水つながり)
    コメント(5)